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アシタバ 根に骨形成成分 岡山大・原助教授ら確認 骨粗しょう症治療に道

原哲也助教授

 アシタバの根を食べると骨の形成が盛んになり、骨量が増加することを、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の原哲也助教授(44)=咬合(こうごう)・口腔(こうくう)機能再建学=らのグループが確認した。骨粗しょう症の予防、治療薬開発などに応用できる可能性があるという。

 タカラバイオ(大津市)との共同研究。原助教授らは、卵巣を摘出した上、カルシウムの少ない餌を与え、骨粗しょう症の状態にしたラットで実験。アシタバの根の粉末を混ぜた餌を与えたラットと与えなかったラットで、四週間後のけい骨の骨形成量を比較したところ、アシタバを食べたラットは約一・五倍になっていた。

 骨粗しょう症は、加齢などによる女性ホルモンの一種エストロゲンの不足が原因とされ、骨の吸収と形成のバランスが崩れて吸収量が増えることで骨がもろくなり、容易に骨折するなどの症状が出る。現在、吸収量を抑える治療薬はあるが、形成を促進する治療薬はないという。

 原助教授は、入れ歯の土台となるあごの骨が、骨粗しょう症により減ってしまう患者が多いことから、骨量を増やす方法を考えようと、二〇〇四年から同社と共同研究している。原助教授は「今後、骨量形成のかぎとなるアシタバの成分を特定し、治療薬やサプリメントの開発に役立てたい」と話している。

 アシタバはセリ科多年草。葉は高血圧、疲労回復などに効用があるといわれている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年08月18日 更新)

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