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医療機関での出産 18市町村対応できず 05年岡山県調査 医師不足 妊婦は近隣市へ

出産に対応可能な医療機関を持つ市(図)

 岡山県内全二十九市町村のうち出産に対応できる医療機関を持つのは岡山、倉敷、津山など十一市に限られることが、県の調査で分かった。備前、瀬戸内、浅口、美作の四市と全町村の計十八市町村はゼロ。これら“空白地帯”の妊婦は出産のため近隣の市へ行かざるを得ない状況になっている。

 お産を扱う医師が不在となった島根県隠岐諸島をはじめ、全国的に産科医不足が指摘される現状を受け、県が今年六月、二〇〇五年の一年間にお産を取り扱った医療機関の有無を調べた。

 空白の四市のうち、年間約二百三十人の出生届を受理する美作市は、津山市での出産が九割を占め、兵庫や鳥取県で産む例もある。美作市保健福祉部は「地元産院が長く出産を休止している。家の近くにお産できる場があるのが理想」と話す。

 備前市や瀬戸内市の妊婦は岡山市や兵庫県赤穂市に出向き、浅口市からは倉敷市や福山市の病院でお産を行うケースが一般的とされる。

 県は医療サービス提供の基本的枠組みとして県内五ブロックに分けた二次保健医療圏を設けている。県保健福祉部は「ブロック単位で見た場合空白はなく、深刻な産科医不足は起きていない」と説明する一方、道路網が整備され少子化が進む現状を背景に、四市とも「行政として産科医を招く計画はない」とする。

 これら四市に加え、井原市で唯一、出産を扱う井原市民病院(井原市井原町)が、医師の退職で二十一日から産科診療を休止する。

 同市民病院側は後任医師の派遣を岡山大病院に要請しているが、同大は「医師の派遣などを通じてつながりのある関連病院はどこも産科医が不足している。大学側に余力はなく、すぐに要望に応えることは難しい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年08月19日 更新)

タグ: 女性子供医療・話題

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