文字 

肝移植患者 術後リスク事前判定  岡山大倫理委研究承認 検査方法確立へ

 岡山大倫理委員会は二十九日、肝臓移植を受けた患者の手術後のリスク(危険性)を、提供者の血液から事前判定できる検査方法確立に向けた同大病院消化器腫瘍(しゅよう)外科の研究を承認した。肝臓移植をめぐっては提供者が高齢な場合は成績がかんばしくないとの報告もあり、より安全な移植医療の実現を目指す。

 同外科によると、米国での脳死肝臓移植約二万例を対象に提供者の年代別で患者死亡率を比較すると、六十代以降は二十代の八倍高いという。

 同外科はこれまで約百五十例の生体肝臓移植を行い、そのうち数例の患者が拒絶反応や炎症などがない原因不明の肝不全で死亡している。いずれも提供者は五十代後半以降で、患者に要因はないとされる。

 同外科は、加齢に伴い血中に多く含まれる遺伝子の断片に着目。生体肝臓移植の提供者から移植前後の一カ月間に計八回血液を採取。遺伝子断片の値を測定し、リスク判定につなげる方法を研究する。対象は五十代後半以降に限らず、幅広い年代に協力を求める。期間は九月以降の一年間で、約四十例を集める予定。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年08月30日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ