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マタニティ白衣レンタル好評 岡山大、岡山県医師会

岡山県医師会の白衣。妊娠初期はウエスト部分を細く調整できる

岡山大のマタニティ白衣

 出産を挟んで働き続ける女性医師・医療従事者が増える中、妊娠中も快適に働けるよう、岡山大(岡山市北区鹿田町)や岡山県医師会(同市中区古京町)が「マタニティ白衣」の無料レンタルサービスに力を入れている。利用者からは「お腹にゆとりがあって楽」と好評だ。

 マタニティ白衣は、妊娠中の腹囲の変化に合わせて両サイドのボタン位置でウエストサイズを調節でき、前ボタンがダブル仕立てになっている。

 岡山大では、女性医師らの復職支援などを行っている「医療人キャリアセンターMUSCAT」が、2012年8月からレンタルを実施。岡山大病院では時短勤務などの制度導入に伴い、出産・育児休暇取得の女性医師が増加しているが、既にさまざまな種類がある看護師用に比べ、医師用のマタニティ白衣は現状ではほとんど商品化されていない。妊娠中の医師は前ボタンを外して着たり、仕方なく男性用Lサイズを着用してしのいでおり、不便さを訴える声を受けて導入した。

 島根大医学部付属病院(島根県出雲市)が産学共同で開発した白衣を採用。2着ずつ貸し出す方式で、S・Mの両サイズを準備している。同センターが運営する女性医療人支援組織「岡山MUSCATの会」に入会すれば、岡山県内の医師のほか薬剤師や放射線技師などの医療従事者が利用できる。

 今年5月末までに医師・歯科医師23人を含む計28人が利用している。昨年に利用した歯科医・高岡沙音里さん(29)は「お腹が大きくなっても目立ちにくいのが良い。出産経験者にもうらやましがられた」と話す。同センターの片岡仁美センター長は「勤務制度、病児保育など産後の働き方や支援策に関する情報も同時に提供しており、予想以上に好評」と話す。

 岡山県医師会は14年から、明石スクールユニフォームカンパニー(倉敷市児島田の口)と協力し白衣を開発。若い医師に人気のあるすっきりしたシルエットにこだわったデザインで、軽い素材のオリジナル製品を完成させ、今年5月からレンタル事業を開始。同県内の病院にちらしを配布し、利用を呼び掛けている。

 県内の女性医師個人のほか、病院への貸し出しも可能。レンタルは2着ずつで、S・Mサイズを用意。同医師会で女性支援事業を担当する神﨑寛子理事は「女性医師をもっと働きやすくしたい。早く病院ごとに常時置かれるようになれば」と期待している。

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 問い合わせは同センター(086―235―6963)、同医師会(086―272―3225)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年07月20日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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