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新型うつ病、現代型うつ病とは 医療法人社団良友会 理事長 中島良彦

 新型うつ病とか現代うつ病という病名が最近マスコミでよく取り上げられています。これは本当にうつ病でしょうか。
 
 私の見た例では、確かにうつ病によく似た若者です。職場ではしんどい、だるい、疲れやすいと仕事になりません。また、眠れない、頭が痛い、食欲がない、何もしたくないと訴えますが、重症になると終日部屋に閉じこもり、テレビを見るでもなく、見ないでもなくぼんやりと過ごし、時にはパソコン、スマホを見ています。うつ病という診断書を提出してひと月も半年も休んでいます。
 
 しかし、日常生活の入浴、洗顔、更衣、ひげそりなどは整えていて、休日には小ざっぱりとした身なりをして、買い物に行ったり、喫茶店で友達と談笑しています。このような状態像はうつ病に似ていますが、本物のうつ病ではありません。職場のストレスに耐えられない適応障害、現実逃避と考えられます。
 
 小児からの成育歴をみると、お婆さん子でちやほやと育てられたり、超多忙な両親だったり、家庭が崩壊していて、大事な人格形成時期に育ててくれる人もなく、放任されたまま大人になってしまった。目の前に起きてくる問題をどう思考し、行動したらよいか分からない。こんな若者が増えて、うつ病と誤解されますが、抗うつ剤が効くはずはありません。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年08月11日 更新)

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