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健康おたく 川崎医科大泌尿器科学教授 永井敦

 わが家には健康本がたくさん転がっています。『病気にならない生き方』『水素水とサビない身体(からだ)』『驚異の老眼回復法』『ホネナビ』…。他にもたくさん。ほとんど義母が買った本です。義母はまさに健康おたくです。今年88歳ですが、歩数計をつけて歩くのが生活の基本。車は利用しません。本屋のベンチで健康本を読み、電器店で血圧を測定し、帰宅後水素水を飲むのが日課です。

 しかし「あと2、3年生きれば十分」が口癖。自分の終活の準備も万端で、私が勤務する川崎医科大学に献体登録をし、葬儀は樹木葬に決め、寝室には私たち夫婦宛ての遺言まで用意しています。死ぬ気満々なのに、健康おたくなのです。

 今年の正月、久しぶりに義母のマンションを訪ねた時、「ちょっと太り過ぎかしら? 痩せた方がいいわよ」と忠告されました。当時、私の体重は標準より12キロオーバー。カミさんにいつも「臨月?」と揶揄(やゆ)されていました。

 分かっているけど改善できないのが食習慣。そこにたまたま目にしたのがテレビの炭水化物ダイエット番組です。抗加齢医学会の知り合いの先生が講師でした。彼が言うなら大丈夫。思いきってダイエットを始めることを決意しました。

 最初の3カ月は、ご飯、パン、うどん、ラーメンなどの炭水化物を一切食べず、おかずだけ食べるというものです。脂肪の燃焼を良くするためにココナツオイルを摂取し、常に腹六分から八分目で我慢しました。苦しい時はガムをかんだり、ノンカロリーキャンディーをなめたり。おかげで、10キロ近い減量に成功しました。とても体が軽くなりました。水素水も毎日飲み、アマニオイルを常用しています。私もすっかり健康おたく…。義母に感謝!
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年08月11日 更新)

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