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運転手向け健康管理システム開発 バスやタクシーで両備グループ

新システムで血圧や体温をチェックするバス運転手=両備バスカンパニー岡山営業所

 両備グループ(岡山市北区錦町)は14日、バスやタクシー運転手向けの健康管理システムを開発したと発表した。乗務前に体温、血圧、血糖値を測定し、日々の体調を迅速かつ客観的に把握できる。事故防止を狙いにグループ外へも販売し、今後3年間で累計2億円の売り上げを目指す。

 運転手の健康状態の急変による事故が問題となっていることを受けて開発。「これら三つの測定値を一元管理できるシステムは業界初」(同グループ)という。

 システムは体温計、血圧計、血糖計、独自アプリケーションを組み込んだタブレット端末で構成。同端末に接続したICカードリーダーに免許証をかざして本人確認した後、運転手自らが測定する。各測定値は自動的に端末に記録され、数値の変化をグラフなどで確認できる。事業者も当日の乗務の可否判断に使えるという。

 運転手の管理をめぐっては、事業所は乗務前に発熱や眠気を聞き取り、顔色や声の調子に留意することが道路運送法で規定されている。ただアルコール検知を除き、血圧確認などは任意のため「事業所によって実施状況に差がある」(同グループ)という。

 新システムは、情報サービスのリオス(同市中区藤崎)が約3千万円で開発し、両備バスカンパニー岡山営業所(同国富)が2月から試験運用していた。年内にはアルコール測定器と連動できるようにし、電車やフェリー事業者にも売り込む。

 体温計2台、血圧計、血糖計、タブレット端末各1台のセットで最大約30人の利用を見込む。1セット約20万円。今後1年程度でバスやタクシー、トラックのグループ16社に導入するほか、リオスはグループ外に販売してシステム管理も請け負う。運営費は月額1万5千円。

 同グループの小嶋光信代表は「業界では乗務員の健康に起因する事故が多発している。広く利用を呼び掛けたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年09月15日 更新)

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