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向きあう、つながる、広がる、岡山大学病院

病院長
金澤 右
岡山大大学院医歯薬学総合研究科教授など経て、2017年4月から病院長。専門は放射線医学。岡山大大学院医学研究科修了。

 今から約150年前の1870(明治3)年、岡山藩は現在の岡山市中区門田屋敷に「岡山藩医学館大病院」を設置します。1871(明治4)年の廃藩置県を目前にして、当時の西欧化の流れの中でこのような藩医学校ならびに病院が全国に少なからず設置されましたが、それらのほとんどは継続性なく廃止されました。しかしながら、西洋医学伝統の地である岡山に設立された「岡山藩医学館」は、幾多の変遷を経ながら存続し、1922(大正11)年には岡山医科大学となり、第二次世界大戦前までは中国四国地方唯一の医科大学として社会に貢献しました。第二次世界大戦後の学制改革で、岡山医科大学は岡山大学医学部に改組され、病院は医学部附属病院となり、その後歯学部も併設されました。現在は、医学部ならびに歯学部附属病院の役割を担いながら、岡山大学病院は岡山大学の独立部局として活躍の場を広げています

 現在の岡山大学病院は、運用病床841床、1日平均外来患者数2741人、681名の医師、1061名の看護師等を含む約2800人の職員が勤務する中国四国地方を代表する大規模病院となっています。2017(平成29)年に完成した総合診療棟などの最先端施設を備え、手術件数は年間1万件を超え、常に全国国立大学病院トップ3に位置しており、画像ガイド下低侵襲治療の手段となる血管撮影件数は、全国国立大学病院中第1位です。なかでも小児心臓血管外科手術のレベルの高さは有名で、諸外国からも多数の患者さんが来られますし、肺移植はわが国随一の実績を誇っております。このように、本院は診療の内容、規模ともにわが国を代表する「特定機能病院」となっています。「特定機能病院」とは、一般の病院などから紹介された高度先端医療行為を必要とする患者さんに対応する病院として厚生労働大臣の承認を受けている病院であり、岡山県内では、川崎医科大学附属病院と本院だけです。私たち岡山大学病院の立ち位置は「最後の砦」であり、さまざまな困難な疾患に苦しまれている患者さんをお引き受けし、最善、最先端の治療をするのがその使命です。

 岡山大学病院の特筆すべき先端的診療内容とそれを支える診療システムとしては、肺、肝臓、心臓、腎臓などの移植を取り扱う臓器移植医療センター、乳がんの摘出手術だけでなく、専門医による乳房再建術も行う乳がん治療・再建センター、岡山県地域医療再生計画により設立された鏡視下手術の施行並びに教育を行う低侵襲治療センター、画像ガイド下にカテーテルなどを用いてがんや心臓病などの低侵襲治療を行うインターベンショナルラジオロジーセンター(IVRセンター)などがあります。そのほか、小児医療センター、周産母子センター、周術期管理センター、糖尿病センターなどのさまざまな診療科、職種が協力して治療を行うセンター機能が多数あり、患者さんに納得していただける先端医療を提供しております。診療科やスタッフが情報をきちんと共有し、院内の考えられる限りの力をすべて合わせてチーム医療を展開するのが岡山大学病院の一つの大きな特徴です。また、「高度救命救急センター」、「災害拠点病院」の指定も受け、地域医療に貢献しています。

 大学病院のもう一つの大事な使命としては、研究活動があります。2017(平成29)年3月には厚生労働省より中国四国地方唯一の医療法上の「臨床研究中核病院」として認定され、文字通りわが国の臨床研究の拠点となりました。同時に全国に10施設しかない文部科学省の「橋渡し研究拠点」でもあり、がんの遺伝子治療、心筋細胞の再生医療研究など基礎医学から臨床医学につながる橋渡し研究が盛んに行われています。院内の「新医療研究開発センター」ではそれらの活動を担うため多くの専任スタッフが活躍しており、全国に先駆けてバイオバンクも設立され、テーラーメードの未来型医療を目指しています。

 三つ目の大きな使命は、人材教育であり、医学生のみならず、多くの研修医、研修メディカルスタッフの教育が行われています。最近は諸外国の医師が学びに来ることも多く、外国人医師の指導に当たる「臨床修練指導医」の資格を持つ医師も多数存在しています。また、地域医療支援、女性医師診療支援活動も盛んで、多面的な教育貢献を行っています。

 以上のような診療、研究、教育を行いながら、私たち岡山大学病院は、いつも「向きあう、つながる、広がる」を大事にしたいと思っています。それは、患者さんやそのご家族と真摯に「向きあい」、地域の方々や社会と密接に「つながり」、世界に羽ばたいて「広がる」ことを意味しています。岡山大学病院をよろしくお願いいたします。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年04月01日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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