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進歩する消化管の検査 低侵襲で早期発見

消化器内科部長
塩谷 昭子
和歌山県立医科大卒。愛晋会中江病院(和歌山市)内科、米ミシガン大消化器内科留学、2001年和歌山大保健管理センター助教授、06年川崎医大食道・胃腸内科学講師などを経て、2015年から消化管内科学教授。専門は、消化管のがん、消化管出血、小腸疾患、生活習慣病、機能性胃腸症。

 いま力を入れているのは、消化管の出血やがんを対象にした診断、治療です。検査ではCT(コンピユーター断層撮影装置)やカプセル型内視鏡を使って、苦痛を伴わずにより正確な診断ができるようになっています。
 
 特に進化しているのは、大腸の領域です。大腸がんの検診で「便潜血陽性」と診断されると、通常は内視鏡の検査を行います。ただ、奥まで入らずにきちんと検査ができなかったり、患者さんがつらいということが多くあります。今は、CTで大腸の画像を構築したり、カプセル内視鏡を飲むことで診断ができるようになりました。下剤の服用は必要ですが、それ以外の痛みを感じない検査が川崎医科大で可能になっています。
 
 また小腸は臓器が長いため、内視鏡ではうまく検査できないことが多くありました。こちらもカプセル内視鏡を使うことで、簡単に、小腸を観察でき、出血源の特定をはじめ、多くの病変が見つかることが分かりました。

 健康診断で便潜血陽性の診断が出た場合はもちろん、貧血や下痢が続いている、消化管の出血があると言われるが原因がよく分からないといった場合も、主治医の先生か、川崎医科大の消化管内科を受診していただきたいと思います。



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(2015年07月16日 更新)

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