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広島県の「小児救急医療電話相談」拡充から1年  不安軽減に効果も相談員不足で火、金曜休止

小児救急医療電話相談の月別推移(グラフ)

 子どもが夜間に熱を出したりした際、医師らが相談に応じる広島県の「小児救急医療電話相談」が昨年9月から、休日などに加えて平日を含めた体制となって1年―。今年8月末までの相談件数は3933件。約6割に対して冷静な対応を助言するなど保護者らの不安軽減に効果を発揮している。半面、相談員不足で当初の「365日対応」にほころびも生じている。

 一日当たりの平均相談件数は一二・六件。二歳児未満が二千二十五件と全体の半数以上を占めた。月別ではインフルエンザが流行した昨年十二月の四百七十三件が最多。相談内容(複数回答)は、発熱の千四百九十九件を筆頭に、おう吐四百六十一件、せき三百十一件、けが二百九十四件など。

 助言内容は「何かあれば病院へ」(千百七十三件)と「翌日に病院へ」(千百三十八件)の合計が六割を占め、冷静な対応を求めるケースが目立つ。一一九番通報を助言したのは四件、すぐに病院に行くことを勧めたのは六百八十二件だった。

 県医療対策室は「子育てに不慣れな保護者の不安を和らげる目的だけでなく、一刻も早い対応が必要なケースを発見する観点からも利用価値は高い」とメリットを強調する。

 一方、この一年間で課題も浮上。平日の電話対応をする看護師が確保できず、四月から火曜日の相談が休止。八月からは金曜日も対応ができなくなった。県は現在、県小児科医会の協力を得て小児科の担当経験がある看護師を探しているが、再開のめどは立っていない。

 こうした中、厚生労働省は深夜帯(午後十一時以降)や、携帯電話からでも利用できるよう既に電話相談を行っている三十一都道府県に通知。来年度予算の概算要求に本年度の約一・六倍の約六億五千万円を盛り込んだ。

 県医療対策室は「できるだけ早く以前の三百六十五日対応に戻すのが当面の課題」とし、「費用面と利用ニーズを踏まえ、さらなる利便性向上策を検討したい」としている。

ズーム

 小児救急医療電話相談 2002年9月、県や県医師会などが厚生労働省のモデル事業として全国で初めて開始。05年4月から県が事業を引き継ぎ、同年9月からは、それまでの土日・祝日、年末年始に平日を加えて365日体制に拡大した。厚生労働省が必要な人件費や電話代などの半額を補助。時間は午後7―10時。平日は看護師、それ以外は小児科医が対応。連絡先は、082―505―1399か、短縮ダイヤル「#8000」(大竹市を除く)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年09月23日 更新)

タグ: 健康子供医療・話題

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