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自己完結型循環器治療

循環器内科部長
佐藤 哲也
1985年徳島大学医学部を卒業後、岡山大学医学部循環器内科助手、松山市民病院循環器内科部長、豪王立アルフレッド皇太子病院臨床留学などを経て2003年から岡山赤十字病院。2011年から現職。アメリカ内科学会上級会員、岡山大学医学部臨床教授

 最近は日本でも狭心症、心筋梗塞など虚血性心疾患、脳梗塞など脳動脈疾患、間欠性跛行など末梢動脈疾患が増えています。これらの病気はいわゆる血管内部が狭くなる動脈硬化が基盤となって血栓ができ、血管が詰まるという共通の発症経過を示すことからアテローム血栓症という統一した言葉で呼ばれるようになってきました。そしてこれらの治療方法は部位によらずほぼ共通しており、狭くなったところを風船で広げた後、ステントと呼ばれる金属の筒を植え込んで血管の壁を補強して治します。

 まずは、心臓の血管の治療ですが、年々適応となる方は増加しており、本邦でも約1400施設で年間20万例弱の方が受けておられます。当科でも2011年以降171例、207例、240例(今年の概算)と増え続けています。また、心臓血管外科開設に伴い、ロータブレーターと呼ばれる石灰化を伴う非常に硬い病変を広げる器具が使用できるようになり、益々適応は拡大するでしょう。更に、当科では近年腎動脈や下肢の動脈などへの血管内治療も施行されるようになっています。胸痛、息切れ、歩行時の下肢の痛みなどの症状がある方は一度ご相談ください。

 更に、不整脈の専門医師が着任しました。動悸、息切れを生じる心房細動、心房粗動といった頻脈性不整脈の元を断つカテーテル治療(アブレーション)が施行できるようになり、また、重症心不全の方への両室ペーシング機能付き埋め込み型徐細動器といった最先端機器による治療も視野に入れています。

 今までできなかった治療がここ数年でほぼできるようになり、目標としていた自己完結型の循環器疾患治療が達成できつつあると考えています。

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※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年07月23日 更新)

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