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結核患者の“高齢化”顕著 岡山県が検診呼び掛け

県内の結核患者数の推移と70歳以上の患者の割合(グラフ)

 岡山県内で結核患者の“高齢化”が顕著になっている。患者数自体は減少傾向にあるものの、重症化しやすい高齢者の割合が増え、二〇〇四年、〇五年と七十歳以上が全体の六割を超えた。県は「まん延防止のためにも早期発見、治療が大切。年に一度は検診を」と呼び掛けている。三十日まで結核予防週間―。

 〇五年一年間で新たに結核と診断された患者は三百十三人で、〇四年(四百四人)より三割近く減るなど減少傾向にあり、人口十万人あたりの患者数も一六・一人と全国平均(二二・二人)を下回る。一方、患者数に占める七十歳以上の割合は61・0%(〇四年60・9%)。こちらは全国平均の45・1%を大きく上回る。38・6%だった一九九五年以降、微減した〇一年を除き年々増えている。

 高齢患者には、若いころに感染経験があり、体力、免疫力の低下に伴って長年眠っていた結核菌が活発化する例が目立つという。糖尿病などの合併症を持っている場合、重症化が懸念される。

 県健康対策課は「放置すれば死に至るケースもあり、決して過去の病気ではない」とし、菌の保有率が高い高齢者は年一回の検診、抵抗力のない乳児は生後三―六カ月のBCGワクチン接種を必ず受けるよう呼び掛けている。

 予防週間中、六十五歳以上を対象に、県健康づくり財団付属病院(岡山市平田)と厚生町クリニック(同市厚生町)で、胸部のエックス線撮影を無料で行っている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年09月25日 更新)

タグ: 健康高齢者肺・気管

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