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ある日突然発症 パニック障害

心療科部長
石原 武士
岡山大医学部卒、岡山大大学院修了。ペンシルベニア大医学部神経変性疾患研究センター留学。高梁病院、岡山大学病院などを経て2011年から現職。精神科専門医、精神保健指定医・判定医、日本認知症学会評議員。

 パニック障害は、ある日突然、手がしびれたり、息苦しくなったり、汗が止まらなくなるなど自律神経のいろいろな症状が出て、「このまま自分は死んでしまうのではないか」などと強い不安や恐怖を感じる病気です。通常は10~20分で治まりますが、初めて経験する人は、救急車で搬送されることもあります。もし起きた場合でも慌てずに、呼吸を浅くゆっくりして休めば大丈夫です。

 何かのストレスがかかった状況でなるというものではなく、家族で食事をしているときにも発症した事例があります。原因は分かっていませんが、脳の神経伝達物質であるセロトニンの機能が弱っているということが言われています。

 発作時は、精神安定剤を服用するか注射します。発作が起きていないときは、「また発作が起こるのではないか」という不安が強まることが多いので、セロトニンの機能を補い続けるため「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」を長期的に服用します。

 また心理療法として、認知行動療法もあります。考え方の癖を訂正し、恐怖や不安を感じながらも少しずつ行動を変えていくものです。例えば、発作を恐れて電車に乗れないという場合でも、「ひどくなっても治まる病気だ」と自分に言い聞かせ、駅に行って見る、改札を通ってみるといった具合に少しずつ行動していきます。この療法も有効だと言われています。

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※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年08月29日 更新)

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