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「乳果オリゴ」に新作用 林原生物化学研確認 花粉症など抑制

花粉症などの抑制作用が確認された乳果オリゴ

 林原生物化学研究所(岡山市下石井)は二十五日、食品加工メーカーなどへ販売している甘味料「乳果オリゴ」に、花粉症などを抑える作用があることを確認した、と発表した。今後の商品開発などにつなげる。

 乳果オリゴは、牛乳などに含まれる乳糖と、天然の砂糖を原料に、微生物が出す酵素反応を利用して製造。主成分のラクトスクロース(LS)は、ビフィズス菌などの善玉菌と呼ばれる腸内細菌を増やし、整腸効果があるとされる。

 同研究所によると、LSを含んだ飼料でマウスを飼育したところ、花粉症などのアレルギー疾患の原因となるタンパク質の生成量が、五週間で通常の六~七割に抑えられた。病原性大腸菌O157などの病原菌に対する抗体の生成量も四週間で四・五~七・三倍に高まったという。

 乳果オリゴはこれまで、提携先の砂糖メーカー(東京)に生産委託していたが、同研究所がLSの含有率を高める技術を開発したのを機に、今年三月から林原グループで製造販売している。初年度の売り上げ目標は約二千トン、約十億円。

 同研究所は「商品PRに役立てるとともに、新たな商品開発にも取り組みたい」としている。

 今回の研究成果は、二十七日から堺市で開かれる日本応用糖質科学会で報告される。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年09月26日 更新)

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