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心筋梗塞は死に直結 食生活の改善で予防を

循環器内科部長
谷 義則

 日本人の死亡原因の第2位は心疾患ですが、その多くに心筋梗塞が関与しています。心筋梗塞とは心臓の筋肉に血液を送る血管(冠動脈)が閉塞し、この為に心臓の筋肉が壊死に陥る病気です。現在でもこの病気が発症した場合は緊急で適切な処置が行われないと死に直結する危険な病気で、もし治療が成功した場合でも不整脈や心不全など心臓に後遺症を残す可能性が高い病気です。心筋梗塞は「胸が締めつけられるように痛む」という症状で発症する事が多く、心筋梗塞が疑われたら心電図、心エコー、血液検査などの検査を緊急で行います。さらに当院では、手足の血管から心臓までカテーテルという細い管を挿入し冠動脈を造影する心臓カテーテル検査(冠動脈造影)を緊急で行っています。もし詰まっている血管があれば、この部分を風船で広げ、ステントという細い金属の筒を留置するという治療を行っています。

 さて、心筋梗塞には高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病が強く関与しており、心筋梗塞を予防する為には減塩食をはじめ、糖分、コレステロールなどに対する食生活の改善が有効です。そして最も重要なのが禁煙です。現在では喫煙自体が疾患の概念であり、喫煙する事によってご本人だけではなく周りの人たちの心筋梗塞の罹患率も同様に増加する事がわかっています。喫煙は今すぐにでも完治しうる最大のリスクファクターです。今すぐに禁煙しましょう。

 もし、「胸が締めつけられるような痛み」など気になる症状がある方は早めに当院へお越しください。
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(2015年10月22日 更新)

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