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老人ホームとグループホーム併設 倉敷市 障害者と高齢者同居可能に

11月1日オープンの住宅型有料老人ホーム「はーとらいふ茶屋町」。グループホームを12月1日に併設予定

 倉敷市は、多くの自治体が認めてこなかった住宅型有料老人ホームに知的障害者向けグループホームの併設は可能と判断、市内で第1号となる施設が開設される見通しとなった。障害のある子どもと高齢化した親が、同じ建物で暮らせる環境を整え、生活の不安解消を図る。

 倉敷市茶屋町の住宅型有料老人ホーム「はーとらいふ茶屋町」。11月1日にオープンし、グループホームは12月1日に開設予定。

 障害者総合支援法に基づくグループホームの立地基準によると、グループホームは入所施設(入所により日中、夜間を通してサービスを提供する施設)や病院の敷地外に設けなければならない。運用は自治体の裁量。倉敷市によると、全国的には住宅型有料老人ホームに併設を認める自治体は少ない。

 今回の開設に当たり倉敷市は、老人ホームの入居者が日中、外部のデイサービスを利用できるなど自由な行動を確保されていることから、「住宅型有料老人ホームは入所施設ではなく、グループホーム併設は可能」と判断。国も同様の見解を示しているという。

 岡山県などによると、グループホームを併設する住宅型有料老人ホームは県内初となる。

 はーとらいふ茶屋町は鉄骨3階延べ約1350平方メートル。一般社団法人・在宅医療支援協会(大阪)が建物を賃借し、管理運営する。老人ホーム事業は東京の介護事業者、グループホーム事業は玉野市の社会福祉法人に委託する。グループホームの設置には県の確認が必要となる。

 老人ホームは38室。事業者が建物内に設ける居宅介護支援・訪問介護事業所に看護師やヘルパー、ケアマネジャーが常駐し、利用者の生活をサポート。グループホームは7室と共用の居間などを設ける。

 在宅医療支援協会は大阪、兵庫、愛知の3府県で5カ所の住宅型有料老人ホームを展開しており、グループホームを併設するのは今回が初めて。内藤成一郎代表理事は「障害のある子どもを持ち、高齢化した親のニーズに応えていきたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年10月30日 更新)

タグ: 介護福祉

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