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大林夏奈ちゃん、米で心臓移植へ 目標額確保 母の出身地高松で会見

心臓移植に向けて渡米することが決まった大林夏奈ちゃん=10月

 重い心臓病を患い、移植でしか救命できないとされる大林夏奈(なな)ちゃん(1)=大阪府吹田市=の米国での移植手術のために行われていた募金が目標額(2億8千万円)を確保でき、11日に渡米することになった。父・謙一さん(28)と支援団体が5日、夏奈ちゃんの母・奈央さん(29)の出身地の高松市で記者会見し、明らかにした。

 夏奈ちゃんは両親とともにチャーター機で渡米し、テキサス州内の病院に転院して待機患者として登録。移植まで3カ月程度必要とみられ、両親と手術の機会を待つ。

 夏奈ちゃんは昨年9月、心臓の筋力が弱くなり血液を全身にうまく送り出せなくなる難病「拡張型心筋症」と診断された。現在、小児用補助人工心臓を装着して大阪大病院に入院している。

 募金は4月に開始し、岡山県では5月に実施。香川県や関西地方などで計100回以上行った。個人・法人からの寄付のほか、米国で心臓移植を受けた小児の支援団体から余剰金約6千万円が寄せられた。

 香川県庁で会見した謙一さんは「(皆さんの支援に対し)感謝という言葉では気持ちを言い表せない。元気になった娘と一緒に暮らす夢を絶対にかなえたい」と話した。

 小児患者の心臓移植をめぐっては、2010年の臓器移植法改正で国内での移植の道が開かれたが、6歳未満の場合、臓器提供に厳格な脳死判定基準が用いられることなどから実現に至った例は極めて少なく、両親は米国での移植を望んでいた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年11月05日 更新)

タグ: 子供心臓・血管

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