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倉敷中央など17病院連携2周年 地域医療や健康講演会を定期開催

「わが街健康プロジェクト。」の第9回講演会。「肺の病気」などをテーマに約200人が聴講した=6日

 市民に医療への理解を深めてもらおうと、倉敷中央病院(倉敷市美和)を中心に岡山県南の17病院が連携して展開している「わが街健康プロジェクト。」が、11月で2周年を迎えた。地域医療や健康づくりに関する講演会を定期的に開催。参加者が聴講回数などに応じて“ランクアップ”するといった工夫も取り入れ、楽しみながら学べる内容にしている。

 地域全体で急性期から在宅まで切れ目ない医療を提供する「地域完結型医療」の整備を進めている中、市民にもその意義を知ってもらうために、倉敷中央病院の呼び掛けで2013年11月にスタート。高度急性期、急性期、回復期、慢性期を担う倉敷市の16病院と岡山市の1病院が協力している。

 これまでに「ともに守ろう地域の医療」「健康寿命を維持するために」といったテーマで、協力病院の医師らが解説する市民向け講演会を倉敷市内で9回開き、延べ約1700人が参加。救急医療の現状と課題などについて参加者が意見交換する集会も3回開催した。

 継続的に学んでもらうため、聴講とリポート提出の回数などに応じて、参加者を上から「プラチナ」「ゴールド」「ブロンズ」の3クラスに認定。クラスが上がると、プロジェクトのロゴマークをあしらったマスキングテープや和菓子などオリジナルグッズをプレゼントしている。

 参加者アンケートでは「ランクアップを楽しみに毎回参加している」との声も寄せられており、ゴールドクラスの認定を受けた男性(79)=倉敷市=は「健康に関心があり聴講してきたが励みになる。なかなかユニークな取り組み」と言う。

 今のところ60~70代が多く、若者の参加を促すのが今後の課題。倉敷、総社市の大学でデザインを学ぶ学生からプロジェクトのPRポスターの図案を募集するなど、若い世代への浸透にも努めている。

 「超高齢化社会に対応するため地域全体で、医療の在り方を考えなくてはいけない時期を迎えている」とプロジェクト事務局を担当する十河浩史倉敷中央病院地域医療連携・広報部長。「講演会や集会のリピーターは医療や健康に詳しくなっており、家族や友人にもその知識を広めてもらうことで、プロジェクトの趣旨をより広範囲に伝えていければ」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年11月21日 更新)

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