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二重に見える、まぶた開けるのがつらい… 神経眼科の受診を 岡山の河原医師に聞く 脳に原因ある可能性も

「一般眼科に神経眼科を加えることで、幅広い症状に対応できる」と話す河原医師

 物が二重に見える、まぶたを開けているのがつらいなど、目の症状は眼球の障害だけが原因とは限らない。物が見えるには、目に映った情報を脳に伝えたり、目やまぶたを動かすなど脳や神経の働きがかかわっている。この脳神経系が原因で起こった目の病気を治療するのが神経眼科。岡山市で開業する日本神経眼科学会員の河原正明医師は「一般の眼科に神経眼科の診断、治療を加えることで幅広い症状に対応できる」と話している。

 福岡県の七十代男性は脳血栓を起こしてから物が二重に見える複視に悩んでいた。近くの病院をいくつか受診したが、眼科では「脳の問題なので分からない」、脳神経外科では「原因は検査するが、治療は眼科へ」と言われた。

 男性は、川崎医科大講師などを経て一年前に開業した河原医師の河原眼科クリニック(岡山市本町)をインターネットで見つけ受診。脳血栓による眼筋まひと診断された。手術による治療は望まず、プリズムをいくつも施したシートを眼鏡に張るプリズム治療を受け症状が改善した。

 神経眼科は眼科と脳神経外科などの学際的分野。一般の眼科は白内障、緑内障、結膜炎、眼底出血など主に眼球の病気が対象。これに対し神経眼科は、左右の視線が一致せず両目で同時に同じ目標点を見ることができない斜視や眼瞼(がんけん)けいれんといった眼球、まぶたの運動、視神経などの障害を対象にする。治療は投薬や訓練、手術などで行う。

 複視の場合、片目で見て二重に見えるときは眼球の病気と考えられ、一般の眼科で治療できる。しかし、両目で見て症状があるケースは脳卒中や、目の筋肉が衰える重症筋無力症などの原因が疑われ、神経眼科の受診が有効という。

 神経眼科は国が認める正式な標榜(ひょうぼう)科でないため広告が制限され、一般には知られていないが、河原医師は「長年症状に悩んでいる患者は受診してみてほしい」と呼び掛けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年05月14日 更新)

タグ: 脳・神経健康

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