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「はやり目」 特徴や予防法は 全国で流行、県医師会理事に聞く

流行性角結膜炎の予防法などを語る岡部理事

 「はやり目」と呼ばれる病気で、ウイルスによって目が充血したり、涙が多く出たりする「流行性角結膜炎」に専門家らが注意を呼び掛けている。熊本、大分県など西日本を中心に全国的に例年より流行しており、岡山県内でも今秋、集団発生があった。眼科医の岡部史朗県医師会理事(73)に、病気の特徴や予防法を聞いた。

 ―どんな病気なのか。

 感染力の強いアデノウイルスが原因で、涙や目やにを介して感染し、感染後1~2週間で発症、眼球を保護する結膜や角膜(黒目)に炎症を起こす。充血、目に異物が入ったような感覚が現れるほか、目やに、涙の量が増えることや耳の近くのリンパ節が腫れて発熱することがある。

 ―国立感染症研究所の調査では、11月の全国の1医療機関当たりの患者数は過去10年で2~3番目に多いペース。県内では9月、少なくとも2010年以降になかった集団感染が玉野市の小学校で起き、13人が症状を訴えた。

 以前は子どもたちが夏にプールで感染し、秋口まで流行するパターンが多かったが、温水プールなどの普及で今では一年中感染する。全国的に流行がみられる今年は特に注意が必要だ。

 ―治療法を教えてほしい。

 特効薬はなく、主に目薬による対症療法となる。ウイルスに対する抵抗力をつけるため、十分な休養も有効だ。発症後10日ほどで症状は治まってくるが、炎症が強い場合、角膜に濁りが出て、視力が落ちる場合があるので治療を怠ってはいけない。学校などは医師の許可があるまで休む必要がある。

 ―予防での注意点は。

 タオルは家族と別にして使うことが重要だ。容器を介して感染する恐れがあるので他人の目薬は絶対に使わない。普段から、小まめに石けんを使い流水で手を洗うことも心掛けるべきだ。重症化を防ぐためにも異変を感じたら、早く眼科を受診してほしい。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年11月28日 更新)

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