文字 

無届け有料老人ホーム 県内4施設 11月末時点、議会で県示す

 11月定例岡山県議会は15日、一般質問を続行。中川雅子(民主・県民クラブ、岡山市東区)、高橋英士(公明、倉敷市・都窪郡)、佐古信五(無所属、同)、渡辺吉幸(自民、津山市・苫田郡・勝田郡)の4氏が県政全般をただした。県は、高齢者が介護などのために入居する「有料老人ホーム」で、県内の4施設が老人福祉法に基づく届け出をしていないことが確認されたと明らかにした。この日で質問戦は終了。16日から委員会審査に入る。

 高橋氏は、特別養護老人ホームの入所待ちを背景に無届けの介護施設が増えている報告があるとして、県の対応などを質問。荒木裕人保健福祉部長は「介護保険事業所への実地指導の際に併設施設の状況の聞き取りなどで実態把握を行い、無届けの場合は設置者に届け出を指導している。その数は11月末時点で4施設」と述べた。

 老人福祉法では、有料老人ホームは都道府県などへ設置の届け出が必要で、無届けだと事故や虐待を把握しにくくなる。県内の4施設は県と岡山市が所管する各2施設で、定員の合計は約40人。県はホームが増加傾向にあることも踏まえ、実態把握や指導の徹底を図る。

 中川氏は、岡山空港(岡山市北区日応寺)のバス乗り場を取り上げ、案内表示の充実などを求めた。亀森敏宏県民生活部長は「多言語表記の案内看板設置や乗り場誘導員の配置などを行ってきたが、分かりやすい案内になるよう(管理する)空港ターミナル株式会社などと連携しながら検討したい」と答えた。

 佐古氏は、子宮頸(けい)がんワクチンで、県内の副反応の報告状況や県の対応を聞いた。伊原木隆太知事は「副反応は21人の報告があり、うち(入院相当の)重篤者は3人。県は岡山大病院と川崎医科大付属病院を中核的な医療機関に指定し、症状が出た人に適切な医療提供ができるよう努めている」と答弁した。

 渡辺氏は、鳥獣被害対策に関する県の窓口が環境文化部と農林水産部に分かれているとして、「鳥獣対策課」の新設を提案。知事は「(両部が)役割分担や情報共有を図りながら取り組んでいるが、被害は深刻化、広域化している。他県の状況も参考にしながら組織体制の在り方を検討していきたい」とした。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年12月15日 更新)

タグ: 福祉

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ