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失った前歯修復に新手法 山下岡山大名誉教授が開発 ピンで両隣に固定 耐久性向上、削る量減少

ピンブリッジ治療(下アゴの場合)

山下敦岡山大名誉教授

 歯周病などで失った前歯の治療法として、人工歯を両隣の健康な歯に合金製のピンで固定する新たな手法を、山下敦岡山大名誉教授(補綴(ほてつ)学)が開発した。歯の裏側から接着させる従来の手法より耐久性に優れ、歯を削る量も少なくて済む。大阪市で開かれた日本補綴歯科学会で十五日、発表した。

 岡山大歯学部と大阪大歯学部、京都府のネジメーカー日東精工の共同研究で、歯の神経を傷つけない細さで、軽くて丈夫なチタン製のピンを開発した。

 このピンを使う「ピンブリッジ」という手法で、土台となる健康な歯に直径〇・八ミリの穴を開け、ピンで歯の裏から金属板に付けた人工歯を固定する。接着材と併用することでほぼ一生使え、健康な歯をほとんど削らないため神経を取ることはなく、歯根の先が化膿(かのう)する心配もないという。

 治療の費用や期間は、山下名誉教授が約二十年前に開発し広く行われている「接着ブリッジ」とほぼ同じで一本五万~一万円程度の見通し。

 接着ブリッジは、歯の裏側を少しだけ削って人工歯を接着材で固定するが、前歯の場合、長く使ううちに外れることがあった。

 山下名誉教授は「外側からピンは見えず、違和感もないため、患者のQOL(生活の質)向上も見込める。国に認可を申請し、できるだけ早く治療を始めたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年05月17日 更新)

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