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笠岡市の高島診療所始動 無医島が解消 島民ら40人祝う 毎月月曜2回 市内から医師

早速島民を診察する上田医師=笠岡市高島診療所

 笠岡諸島の六つの有人島(大飛島に近接の小飛島は除く)で唯一、診療所がなく「無医島」状態だった高島に十三日、笠岡市の診療所が開設され、市民病院の医師による診察がスタートした。現地では式典が行われ、歓迎ムードに包まれた一方で、さらなる充実を望む声も聞かれた。

 診療所は定期船待合所の一室(約三十平方メートル)を活用。市民病院に運営委託し、毎月二回、月曜日に、島しょ部担当の上田祐造医師(61)=外科=を中心に医師が赴く。市の看護師一人も同行。診察時間は午前九時半~正午。診察台や血圧計など備え、慢性疾患の治療や投薬指導を中心に行う。整備費は約百五十万円。委託料は月十万円程度。

 開所式では、高木直矢市長が参加者約四十人を前に「島民の長年の要望にやっと応えることができた。今後も福祉向上に努めたい」とあいさつ。高島自治会の河田達夫会長(66)は「病気やけがだけでなく、予防や健康管理にも活用して盛り立てていこう」と述べた。最後に診療所の看板を除幕して開所を祝った。

 式後に診察が始まり、けがや慢性疾患を抱える島民たちが次々来所。早速上田医師は応急処置をしたり自宅でできる処置法などを指導し、抗生物質や湿布を処方した。

 診察を受けた妹尾巧士さん(82)は「高齢者が多い島にとって、身近な診療所はありがたい」と喜んでいた。

 島民はこれまで、市が運航する患者輸送船で週二回(月、金曜日)、最寄りの白石島の診療所に通院するなどしてきたが、高島診療所の開院日には同船の運航をやめる。このため、「かえって不便になる。診療所も申し訳程度でなく、週一回にできないか」(七十代女性)と要望する声もある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年11月14日 更新)

タグ: 医療・話題

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