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ノロウイルス 集団発症相次ぐ 広島県内の福祉、医療施設 早期発見で二次感染防止 福山市保健所

 冬場が近づき、県内の福祉、医療施設からノロウイルスが原因とみられる集団発症の報告が相次いでいる。二〇〇五年に福山市の特別養護老人ホームで起きた集団感染を契機に、国の報告基準改正や検査態勢の充実など対策が強化され、表面化する件数が増えたとみられる。県内では本年度、二十六施設から報告があり、七百人以上が下痢や腹痛などを訴えた。福山市保健所などは「施設と連携し早期発見に努め、二次感染を防止したい」としている。

 県感染症情報センターなどによると、福祉、医療施設で集団発症があったのは、九月に廿日市市の医療機関で七十八人に上ったほか、十月上旬には安芸高田市の医療機関で四十七人、三次市の高齢者福祉施設で六十三人。今月十三日には、福山市で別の特別養護老人ホームの入所者一人からノロウイルスを検出。下痢などの発症者は十四日に新たに八人が確認され、入所者、職員計七十一人となった。

 同ウイルスは主に経口、接触感染により、二十四~四十八時間で、おう吐、下痢などを引き起こす。数日で回復するが、体力の弱い高齢者らは重症に陥ることもある。

 二〇〇五年に福山市で起きた集団感染では、施設側から発症者増加が早期に報告されず感染拡大予防などの対策が遅れたことが問題となり、厚生労働省が、疑わしい段階でも報告するよう基準を改正した。

 福山市は、同施設では介護を通じて、入所者や職員に感染が広がった可能性が高いとして、入所者や職員の体温や症状変化がすぐに把握できる一覧表などをまとめたマニュアルを作成。施設内や器具などの消毒や、手洗い、うがいの徹底を呼び掛けた。二十日には高齢者、障害者らの福祉施設や事務所約五百五十施設を対象に、感染症予防講習会を開催。保健所も原因の早期特定へ検査時間の短縮を図っている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年11月15日 更新)

タグ: 健康感染症

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