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メタボリック症候群防ごう スポーツクラブなど好調 岡山県内

中高年の入会が増えている岡山市内のスポーツクラブ

 内臓に蓄積した脂肪により高脂血症や高血圧などを重複して発症する「メタボリック症候群」への関心が高まっている。放置すれば、心筋梗塞(こうそく)や糖尿病を招きかねない新しい疾患概念。中高年のスポーツクラブ通いが増え、若者が内臓脂肪量に関心を示すなど、岡山県内でも「危機意識」が幅広い世代に浸透してきているようだ。

 「レイスポーツクラブ岡山」(岡山市泉田)では今年に入り、三十―五十代の男性会員が急増。主な入会理由は減量と健康維持という。「症候群への心配が入会を後押ししているようだ」と同クラブ。

 体重増で腰を痛め、入会した会社員西村嚴さん(59)=同市倉田=は「クラブ通いで、高かったコレステロール値が標準に戻った」と喜ぶ。

 健康セミナーや相談窓口を設ける「県南部健康づくりセンター」(同市平田)には、同症候群に関する講演依頼が舞い込む。運動指導員らが週二、三回、公民館や保健所に出向く人気ぶりだ。

 センター内に二〇〇〇年に導入した、内臓脂肪量を測定する「脂肪CT」の利用者も最近増えており、松本純子臨床検査技師は「中高年はもちろん、若者の利用も目立っています」。

 関心の高まりを受け、三月に体脂肪計など健康器具専用コーナーを新設したデオデオ下中野店(同市下中野)。全身運動につながるとされる乗馬フィットネス機器の売れ行きが好調で、担当者は「常に品薄状態。自宅で運動できる手軽さが魅力なのでは」と話す。

 同症候群については厚生労働省が五月、調査結果を公表。成人の有病者は約千三百万人で、四十―七十四歳の男性の二人に一人、女性の五人に一人が有病者か予備軍に該当していた。

 岡山県は七月、同症候群の予防策に関する検討会を設置。二十九日には各市町村の職員研修をスタートさせる。県健康対策課は「予防には適度な運動とバランスのとれた食生活が不可欠。何よりも規則正しい生活を心掛けて」と呼び掛けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年11月21日 更新)

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