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日本精神科病院協精神医学会 最高賞に万成病院(岡山) 地域との交流活動評価 祭りや料理教室 生き生き

琉球舞踊に合わせて歌うひまわり寮の人たち(奥)=今年6月、ひまわりサロン

 精神障害者への偏見解消に向け、地域との交流に取り組んでいる岡山市谷万成の精神科病院・万成病院が、本年度の日本精神科病院協会精神医学会で最高の会長賞を受賞した。県内では初。「病院から地域へ」という流れの中で、自然な触れ合いから徐々に意識を変えていく地道な活動が高く評価された。

 日本精神科病院協会精神医学会は十一月十六、十七の両日、三重県津市で開催。全国の医療機関から二百六十四の取り組みが発表された。

 万成病院は三年前から同病院の社会復帰施設・ひまわり寮が月一回開いている「ひまわりサロン」を紹介。パソコン教室や料理教室など地域住民が障害当事者と直接触れ合うことで、住民の抱いていたイメージが「怖い」「理解できない」といったマイナス面から「優しい」「普通」といったプラス面に変わることなどを示した。

 「偏見が強い精神科病院が地域と交流すること自体が非常に難しく、新鮮だったのでは」と発表したひまわり寮の精神保健福祉士田淵泰子さん。サロンで障害当事者と住民が一緒に踊る姿や、地域の祭りで当事者と子どもが顔を並べてヨーヨーすくいをしている場面などを映像や写真で生き生きと伝えた。

 厚生労働省が精神科の社会的入院患者七万人の退院を打ち出すなど、精神障害者の地域移行は大きな課題。だが、受け皿の施設を建設するのに住民から反対があるなど偏見は今も根強く、病院も地域で孤立しやすい。

 小林建太郎院長は「『精神科病院も変わらなくてはならない』という一つの方向付けを示せたのではないか」とした上で「地域とどう向き合うかはどこの病院も悩んでいる大きなテーマ。他の医療機関とも連携をとって、こうした取り組みが広がるようにしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年11月25日 更新)

タグ: 精神疾患万成病院

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