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酒害の実態伝えたい 岡山県断酒新生会が企業訪問 飲酒運転問題が深刻化 体験語る活動開始

企業で初めて酒害の体験談を語る岡山県断酒新生会の伊藤副理事長

 アルコール依存症の患者や家族らでつくるNPO法人岡山県断酒新生会(三宅一民理事長)が十月から、県内の企業で酒害の体験談を語る活動を始めた。飲酒運転問題の深刻化を受け、社会貢献する狙い。会員らは「酒を断つ前は社会に迷惑をかけた。自分の経験を役立ててもらい、少しでも償いたい」と話している。

 同会では一九六六年の発足以来、アルコール依存症の患者ら約二百八十人が月一、二回のペースで開かれる例会などに出席、体験談を話したり互いに励まし合うことで、断酒を継続している。

 これまで、県内の中学校などで酒の怖さを子どもたちに伝える出前講座を行ってきたが、飲酒運転事故など酒にまつわる問題が多いことから社会貢献策を模索。十月中旬、岡山市であった「職場のメンタルヘルスケア」に関する勉強会で体験談を語った会員に対し、参加企業から「従業員に話してもらいたい」と声がかかり、開催が決まった。

 初回は同月下旬、岡山市国体町の薬品販売会社・高塚薬品で行われ、伊藤忠義・県断酒新生会副理事長(63)と倉敷市内の四十代の会員が訪問。飲酒運転を繰り返し、事故を起こしても酒がやめられなかったことや「仕事がうまくいかない」などと理由をつけ、現実から逃げようと酒を飲み続け、依存症になったことを赤裸々に告白した。

 伊藤副理事長らは「飲酒運転は絶対駄目。家族や仕事など大切なものを失う。誰でも依存症になることも知ってほしい」。同社の中西敏子社長は「社員は車で県内全域を回り、付き合いで飲酒する機会も多い。社としても大切な従業員を失いたくなく、自覚を促したい」と話していた。

 同会は会員の派遣希望を受け付けている。問い合わせは事務局(0866631451)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年11月27日 更新)

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