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病院食に笠岡の工場産野菜を採用 無菌状態で栽培、安全性を評価

工場産葉物野菜を取り入れた笠岡第一病院の病院食

 笠岡市の笠岡湾干拓地で野菜工場を運営するY&Gディストリビューター(吉岡洋介社長)が生産する葉物野菜が、病院食などに取り入れられている。無菌状態で育てる工場産野菜の安全性や利便性をアピールし、病院、介護分野などの食事に使ってもらう。

 笠岡第一病院(笠岡市横島)は2015年5月から提供を開始。毎食(各約100食)のうち半数近くで、サラダやメーン料理の付け合わせとして使っている。患者には「苦みが少ない」などと好評という。

 同病院はこれまで、地面で育てた通常の野菜を使っていたが、虫や土などの異物混入や食中毒を防ぐため、念入りな洗浄が不可欠だった。工場産野菜は国のマニュアルに従い、水で洗うなどするが「洗浄時間が大幅に短縮される上、捨てる部分が少ない。切った後に変色しにくいので、使い勝手がいい」と高田尚子栄養管理科長はメリットを強調する。

 笠岡中央病院(笠岡市笠岡)も関連の介護施設とともに、患者や利用者の食事に工場産野菜を使っている。

 Y&Gディストリビューターは、無菌状態の工場(330平方メートル)で、2種類のリーフレタスとサラダ菜を1日750株、1カ月で2万2千株を生産している。今後、加熱処理が原則必要な学校給食にも取り入れてもらうように、働き掛けていくという。

 同社は「安全・安心はもちろん、地産地消の観点からも取り入れてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年01月20日 更新)

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