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難病患者の宿泊施設着工へ 岡山大 心臓病の子を守る会に伝達

岡山大病院の前で取材に応じる吉川事務局長(左)と青木さん

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)が、臓器移植や難病治療で遠方から訪れる患者や家族に格安で利用してもらうため、敷地内に整備を計画している宿泊施設が11月にも着工予定であることが21日、分かった。槇野博史病院長が、全国心臓病の子どもを守る会県支部の関係者に伝えた。

 宿泊施設は、2010年に心臓病で亡くなった小比賀姫那(おびかきな)ちゃん=当時1歳、倉敷市=の親から支援募金約7400万円の寄付を受け、同病院が敷地内に整備する意向を表明。しかし整備には数億円の資金が必要とみられ、着工の見通しが立っていなかった。

 同病院と同会県支部によると、整備には寄付金に加え、同様施設の整備費を補助する国の制度などを活用する方針。入院棟11階にある空きスペースに開所する方向で調整中という。

 この日、早期整備を要望するため同病院を訪れた同会県支部の吉川綾子事務局長(73)と槇野病院長が面談した。吉川事務局長は「会が7年前から要望し続けた夢がようやくかなう」と安堵(あんど)の表情。重い心臓病の長男(15)のために茨城県から3カ月に1回診察に通う青木ひろみさん(47)は着工予定を吉川事務局長から聞き、「往復に10時間、2泊3日のホテル代も含め毎回10万円ほどかかる。宿泊施設は本当にありがたい」と喜んでいた。

 槇野病院長は「資金面のめどが立ち、着工予定となった。浄財はご両親の意志に沿うように有効に使わせていただく」とのコメントを出した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年01月21日 更新)

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