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初代カイゴ男子 古山喬成さん 介護は魅力的な仕事

初代カイゴ男子の古山喬成さん

 岡山県老人福祉施設協議会が昨秋始めた「カイゴ男子・カイゴ女子発掘プロジェクト」。県内の現場で活躍する若手職員を選び、人材不足が続く介護職の魅力を発信してもらう試みだ。真庭市内の特別養護老人ホーム(特養)で働き、初代グランプリを獲得した介護福祉士古山喬成さん(27)=同市=に、仕事のやりがいやPR役としての抱負を聞いた。

 ―介護の仕事を志したきっかけは。

 中学時代のデイサービス施設での職場体験。利用者と触れ合う中で、ある高齢男性の似顔絵を描いたら、自宅にまでお礼の電話をくれた。人を喜ばせ、元気づけられるすてきな仕事だと感じ、介護現場で働きたいと思うようになった。高校3年の時にボランティアで特養に通った上、独学でホームヘルパー2級の資格を取得し、卒業と同時に今の職場で働き始めた。

 ―具体的にどのような仕事をしているか。

 利用者の入浴や排せつ、食事の介助など身の回りのお世話をしている。5年ほど前から、施設の職員でつくる「活性化委員会」の副委員長として、踊りなどボランティア団体による慰問の受け入れを調整し、施設の行事計画も立てている。利用者に季節を感じてもらいたいと、昨年11月には一緒に近くの寺までドライブして紅葉を楽しんだ。

 ―これまで約9年間働いて感じていることは。

 人の役に立て、頑張った分だけ感謝の気持ちが返ってくるのが魅力。今も、これから先もずっと大好きな仕事であることは変わらない。ただ、利用者が生き生きとした老後を送れるかどうかと関係するため、責任の重さも常に感じている。介護技術はもちろん、病気などへの知識も必要とされる。就職後に勉強して介護福祉士の資格を取ったのも、好きなだけでは駄目だと思ったから。

 ―初代「カイゴ男子」として、活動する上での意気込みは。

 福祉分野への就職希望者を対象に県社会福祉協議会などが2月に岡山市で開くフェアで仕事について紹介したり、県老人福祉施設協議会が今後発行する「カイゴ男子・カイゴ女子」の写真集のモデルになったりする予定。これらを通して介護職の魅力を広く伝え、人材不足が深刻な業界を少しでも盛り上げる力になりたい。

 カイゴ男子・カイゴ女子発掘プロジェクト 介護業界のイメージアップを狙いに、昨年9~10月、県老人福祉施設協議会の会員施設(約420施設)で働く30代までの職員を対象に「カイゴ男子・カイゴ女子」を募集。計58人の応募があり、書類審査を通過した14人が同11月、岡山市での最終審査に臨みステージで介護職の魅力やプライベートの楽しみ方を発表した。来場者らの投票でグランプリ(男女各1人)と準グランプリ(同)が選ばれた。

 介護業界 厚生労働省などによると、介護職の離職率は全産業の平均より高く、人材不足が深刻化。2014年度の県内の介護職の有効求人倍率(雇用期間4カ月未満を除く)は2・43倍で05年度(1・55倍)から大幅に上昇している。団塊世代が75歳以上になる25年度には全国で約38万人、県内で約6千人の職員が不足する恐れがあるとされる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年01月30日 更新)

タグ: 介護

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