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子の虫歯予防 まず母の口から 岡山大学院助手確認 キシリトール有効

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の仲井雪絵助手(小児歯科)らの研究チームが、母親が妊娠中から出産後に天然甘味料キシリトールを毎日摂取すると、摂取しない場合より乳幼児の虫歯菌(ミュータンス菌)感染が約半分に抑えられることを確認した。

 乳幼児は、虫歯がある家族が使ったはしなどの唾液(だえき)を通して虫歯菌に感染すると考えられている。

 仲井助手は虫歯予防効果があるキシリトールに着目。虫歯菌には善玉菌と虫歯のもととなる悪玉菌(ミュータンス菌など)があり、ガムをかむことで親の口中の悪玉菌を減らせば、乳幼児の虫歯予防につながるとみて調査した。

 虫歯菌が多い妊婦百人を五十人ずつに分け、妊娠三カ月から子どもが一歳半になるまでを追跡。一方には食後などに歯科医などが用いるキシリトール100%配合のガムを一日四回以上、五分程度かんでもらい、もう一方はまったく摂取させなかった。

 その結果、摂取しなかった母親の子どもへの虫歯菌感染率は91・7%に達したが、摂取した女性は42・9%と半分以下にとどまった。

 仲井助手はオーストラリアで開かれた国際歯科研究学会ですでに報告。「虫歯へのキシリトール効果と、出産後の親の口の中のケアが大切ということが示された。予防の基本はまず歯磨きと糖分の制限だが、糖類不使用でキシリトール配合50%以上のガムをかむと効果的」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年12月10日 更新)

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