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新型うつ病 現代型うつ病とは(2) 医療法人社団良友会理事長 中島良彦

 いつからか、ケータイやインターネットが普及しだしたころからか、若い会社員がしんどい、頭痛、不眠を訴えて、会社に出て来ない、ひきこもり現象とその相談が増えてきました。

 その休職診断書には「新型うつ病」とか、「現代型うつ病」と書かれています。職場では眠れない、何も考えられない、何もできないと作業能率の低下を訴え、それは自分を責めるのではなく、上司のせいにする。自宅では元気で、職場を離れると友達と談笑している。このような状況依存型うつ症状はうつ病ではありません。

 このタイプのうつ症状は生活や職場での不適応に関する症状であり、また目の前の現実からの逃避であり、本物のうつ病に見る自分ではどうしようもない思考と行動の抑制、不眠や食欲のなさ、生きる虚しさを感じさせるような、追体験できない異質性はないのです。そして、自分の身の上に起こったうつ症状に対して他人事のようであり、心の葛藤や焦燥が無く、自分事として悩む主体性が見られません。

 それは社会適応能力も、問題解決力も、対人交渉力も持たない、職場のストレス環境に耐えられない適応障害の範囲の問題と考えられます。それを取り上げて「新型(現代型)うつ病」と言っているだけとしか私には思えないのです。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年02月10日 更新)

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