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介護保険料「高い」 利用者の4割 倉敷市が高齢者アンケート 値上げにも批判的

介護保険料について

介護保険料と介護サービスに対する考え

 介護保険のサービスを利用する高齢者の約四割が「保険料が高い」と感じていることが、倉敷市の実態調査で分かった。要介護認定を受けていない高齢者では七割近くに達し、両者ともに今後の値上げにも批判的。調査結果は市が来年度からの事業計画や保険料に反映するが、あらためてサービスと保険料のバランスが問われそうだ。

 調査は昨秋、在宅サービス利用者や要介護認定を受けていない一般高齢者ら六十五歳以上の市民計一万三千四百三十人を無作為抽出して実施。回答率は平均62・1%。

 倉敷市の場合、六十五歳以上の介護保険料(基準額)は月額三千九百二十円。額について、サービス利用者の42・1%、一般高齢者の66・7%が「高い」と回答。「適当」と答えた高齢者(利用者27・1%、一般高齢者13・4%)を大きく上回った。「安い」はほとんどなかった。

 サービスと保険料のバランスについては、「サービスは現在の保険料で賄える範囲で」との回答がどちらも六割程度を占めた。以下、利用者では「サービスが充実するなら保険料アップはやむを得ない」が続いたが、一般高齢者では「サービスが不足しても、保険料は安いほど良い」が“値上げ容認派”を上回った。

 在宅サービスの満足度は、利用者の八~九割が「満足」「ほぼ満足」と回答。不満な点では「利用料金が高い」が目立ったほか、「希望する日や時間帯に利用できない」(ショートステイ)「サービス提供者の技術・熟練度が低い」(ホームヘルプ)などが多かった。

 市内の要介護認定者は介護保険制度の始まった二〇〇〇年度からの五年間で約一・七倍に急増。保険料も〇三年度の見直しで16・4%値上げされた。高齢化が進み今後も利用は増えるとみられ、厚生労働省の試算では現状のままでは〇六年度からの保険料は全国平均千円増になるという。

 市は本年度、学識経験者らを交えた審議会で計画と保険料の見直し作業を進めており、来月からは各地区で公聴会を開き高齢者らの意見も聞く計画。保健福祉局は「社会全体で要介護高齢者を支えるという制度の趣旨をあらためて周知するとともに、多くの意見を参考にしながら見直しを進めたい」としている。

ズーム

 介護保険 総費用から自己負担分(1割)を除いた残りを、40歳以上の保険料と公費で折半する。65歳以上の保険料は市町村が3年ごとに設定。倉敷市の現行額は中核市平均(3412円)を超え、同額の岡山市と並んで35市の上から6番目。高齢化に伴って増え続ける費用の抑制に向け、国は自己負担部分の拡大など制度を大幅に見直し中。保険料の徴収年齢引き下げも検討されている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年05月24日 更新)

タグ: 介護高齢者福祉

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