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10歳未満男児への肺移植成功 6歳未満脳症児提供、岡山大病院

提供された両肺の移植手術を行う医師=25日午前10時(岡山大病院提供)

 臓器移植法に基づき、脳死と判定された6歳未満の女児から提供された両肺の移植手術が25日、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で行われ、無事終了した。移植を受けたのは肺胞壁に炎症を起こし、十分な呼吸ができなくなる間質性肺炎を患う10歳未満の男児。6歳未満の臓器提供者(ドナー)から10歳未満の患者への脳死肺移植は国内3例目、同大病院では昨年1月に次いで2例目となる。

 手術は臓器移植医療センターの大藤剛宏教授の執刀で午前8時48分に始まり、約6時間半後に終わった。早ければ3カ月後に退院できる見込み。男児は生後2カ月ごろから呼吸障害があり、今月14日に日本臓器移植ネットワークに登録していた。

 大藤教授は「6歳未満の臓器提供によって10歳未満の患者さんが助かったことはとても素晴らしいこと」とのコメントを出した。

 同ネットワークによると、ドナーの女児は東海地方の病院に入院。インフルエンザ脳症となり、23日に脳死と判定された。同脳症が脳死の原因疾患と公表されたのは初めて。

 15歳未満の脳死の子どもからの臓器提供を可能にした2010年の改正臓器移植法施行後、6歳未満からの提供は5例目。15歳未満としては11例目となった。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年02月25日 更新)

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