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岡山県内で「梅毒」患者が増加 2年連続20人超、早期検査を

 性感染症「梅毒」の患者が岡山県内で増えている。近年は、新たな患者数が年間1桁台で推移していたが、2014年21人、15年24人と2年連続で20人を超えた。「昔の病気」という意識から感染に気付かないまま拡大させるケースもあるとみられ、県は注意を呼び掛けている。

 県によると、13年までの5年間の患者は5~9人だった。15年の内訳は男性22人、女性2人で、年代別では20代9人、40代7人、30代と50代各3人―など。感染経路のほとんどが性的接触だった。

 患者数の増加をめぐり、日本性感染症学会理事の岸本寿男・県環境保健センター所長は「感染リスクの高いMSM(男性同士で性交渉する人)で広がっている可能性がある。数字は氷山の一角で最悪の場合、10倍に及んでいる恐れもある」と警告する。

 梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌の一種が粘膜などから体内に入り感染する。2~3週間で感染部位に痛みを伴わないしこりができ、その2~3カ月後に全身に発疹が出ることが多い。慢性化すると全身の合併症で神経が侵されるなど重症化する。妊婦の胎内で感染し、出生後に診断される「先天梅毒」のケースもある。

 避妊具の使用で感染リスクを軽減できるが「不特定多数との性的接触を避けることが大前提」と岸本所長。

 県の各保健所ではHIV(エイズウイルス)検査と併せて梅毒検査も匿名、無料で受けられる。県健康推進課は「不安に感じる人は早めに検査を受けてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年02月26日 更新)

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