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小さな命に大きな支援 ロ男児に肝移植を 岡山の教授ら募金活動開始

重い肝臓病を患い、移植手術を待つワレーリーちゃん(中央)

 重い肝臓病を患い、移植手術が生きる唯一の道とされるロシアの男児ワレーリー・モロゾフちゃん(1つ)を救おうと、岡山県内のロシア人研究員や大学教授らが「支援する会」を結成、手術費を補助するための募金活動を始めた。メンバーは「異国の小さな命に救いの手を」と呼び掛けている。

 ワレーリーちゃんは、生まれつき胆汁を十二指腸に送る胆道が詰まる「先天性胆道閉鎖症」。胆管を除去し、腸管と肝臓をつなぐ手術を受けた。しかし、現在も黄疸(おうだん)が残り、高熱を出すなど体調は不安定。体重の増加も遅れがちで、肝移植しか助かる方法がないという。

 支援する会によると、ロシアでは成人から子どもへの脳死移植は法律で禁じられ、半面、子どもの臓器提供者は少ない。ワレーリーちゃんは両親と血液型が異なり、生体移植もできないため、両親が移植が盛んなベルギーでの手術を決断し、ロシアで募金活動を始めた。手術費用は約千三百万円かかるという。

 日本国内では、両親の友人で岡山大理学部客員研究員のスベトラーナ・カルポバさん(29)が昨年十月、キャンパスで呼び掛けを始めた。同大の富岡憲治理学部教授や岡山県国際団体協議会の青山勲理事長(同大資源生物科学研究所教授)ら四人も賛同。今年一月に「支援する会」を発足させ、ホームページ(HP)を開設した。

 国内では二月下旬までに、県内を中心に約五十四万円が集まり、ロシアでの活動と合わせ約五百三十万円に達したという。カルポバさんは「ワレーリーちゃんの笑顔を見ると、とても死と隣り合わせとは思えない。一日でも早く手術ができる態勢を整えてあげたい」と訴えている。

 募金は、郵便振替で口座番号01340―4―44476(ワレーリー君を支援する会名義)。同会HPは、http://www.help―valery.com
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年03月03日 更新)

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