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不妊の悩み 一人で抱えないで 岡山で山陽新聞医療セミナー 最新治療や相談体制紹介

不妊治療や相談体制などを紹介した山陽新聞医療セミナー

 赤ちゃんをなかなか授からない。相談や治療はいつ、どういう形でしたらいいのだろう…。「妊娠を望んでいるカップルの疑問にお答えします」をテーマにした「第六回山陽新聞医療セミナー」が岡山市奉還町の岡山国際交流センターで開かれ、医師ら専門家が最新の不妊治療や栄養管理、心理的なケアまで幅広く紹介した。

 事前に寄せられた質問に、岡山二人クリニック(岡山市津高)のスタッフら十二人がそれぞれの専門的立場から答えた。

 不妊の原因には病気や性感染症などもあるので自己診断は禁物。受診するタイミングとして、同クリニックの吉岡奈々子医師は「避妊していない状態で一年以上、基礎体温表でタイミングをとって四周期以上などの人」とした。

 不妊治療の検査はさまざま。排卵が近づくと大量に放出される黄体化ホルモン(LH)を調べる尿中LH検査は、排卵のタイミングを知るのに信頼度が高い。まれなケースとして女性側に精子をブロックする抗体ができる場合もあり、抗体検査をして陽性か陰性かを調べる方法もある。

 しかし、検査をしても原因が見つからない場合もある。同クリニックの羽原俊宏医師は、タイミング法→人工授精→体外受精―と負担の少ない治療から段階的に進めることを説明した。

 排卵のタイミングに合わせ精液を子宮内に注入する人工授精、卵子と精子を体外に取り出して受精させて戻す体外受精。ともに、妊娠する可能性を上げるメリットは大きいが、保険適応外のため経済的負担は重い。

 同クリニックの門田貴子不妊カウンセラーは、子宮卵管造影検査や性交後検査、精液検査などの検査が保険適応で三割負担で済むことを紹介。保険外の費用は施設によってまちまちだが、平均して不妊治療にかかる費用は人工授精で一万~三万円、体外受精で三十万~五十万円という。

 また、負担を減らす方法として助成制度を紹介。国の特定不妊治療費助成事業は現在、一年度あたり十万円限度で通算五カ年補助されているが、四月から一年度あたり一回十万円で二回まで受けられるよう拡大、所得制限も六百五十万円未満から七百二十万円までに広がることを紹介した。

 治療につなげる入り口も重要。二〇〇四年から岡山大病院内に開設され、無料で相談を受けている「岡山県不妊専門相談センター」。江見弥生相談員は、不妊治療が周囲に相談しにくいことや見通しの持ちにくさから「トンネル」の中にいるような状態になりやすい点を指摘した。

 「話し相手がいなかったり、気持ちをコントロールできない時は気軽に相談してほしい。一人で抱え込まないように」と呼び掛けた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年03月18日 更新)

タグ: 健康女性医療・話題お産

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