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高梁で地域包括ケアの研修会 在宅医療の重要性など解説

在宅医療の重要性などについて講演した高梁医師会の仲田会長

 高齢者らが住み慣れた地域で医療・介護・生活支援サービスなどを一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」について学ぶ研修会が15日、高梁市正宗町の高梁国際ホテルであり、高梁医師会の仲田永造会長が在宅医療の重要性や地元の課題などを解説した。

 仲田会長は、約半数の市民が終末期を自宅で過ごしたいとしているのに対し、自宅で最期を迎える人は10%程度とのデータを提示。「地域における在宅医療のニーズは高い。実現には医療、看護、介護の専門家が連携し、高齢者を支える仕組みづくりが欠かせない」と述べた。

 市と高梁医師会などが進める医療介護分野の情報共有システム「やまぼうし」を活用した事例を紹介。緩和ケア中のがん患者の「夜が暑くなると背中が痛む」という相談を共有したところ、ケアマネジャーが暑さ対策の施されたベッドを提案して解決したとし、「医療の処置では痛み止めを処方することになるが、各種専門家が連携することで患者にとって最適なケアができた好例だ」と報告した。

 また、高梁固有の課題として看護師の高齢化を指摘。50歳以上の看護師の割合が岡山県全体では約3割なのに対し、高梁は約6割を占めるとし、「ほんの数年後に深刻な看護師不足に陥る可能性があり、若手の確保が急務」と説明。「在宅医療の患者と医師をつなぐコーディネーター役を看護師が担ってほしい。扇の要とも言える重要な役割で、やりがいがあり、若手にとっても魅力的な仕事になるのでは」と話した。

 研修会は県看護協会高梁支部などが企画。市内の医療機関に勤務する看護師ら約50人が聞いた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年06月17日 更新)

タグ: 介護医療・話題

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