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膵臓がん患者へ栄養剤飲み方紹介 岡山赤十字病院がリーフレット

岡山赤十字病院が膵臓がん患者向けに作ったリーフレット

 岡山赤十字病院(岡山市北区青江)は膵臓(すいぞう)のがんにより、食べ物の消化や栄養の吸収に関する働きが弱まった患者向けに、栄養剤を飲みやすくする方法をまとめたリーフレットを作った。独特の風味から敬遠されがちな栄養剤に果物の香りをつけることなどを紹介し、服用率向上につなげている。

 がん患者が治療を続けるには体力維持が不可欠。同病院は膵臓がん患者に医薬品の栄養剤(1袋300キロカロリー)を勧めているが、独特の甘さやにおいにより、多くの患者が服用をやめてしまうという。

 栄養剤服用には、消化吸収に関する働きを休めて膵臓の負担を軽くできる利点もあり、小池彩子薬剤師を中心に医師、看護師らが推進策を検討。風味を良くするため粉の栄養剤とセットになっているグレープフルーツ、青リンゴといった「フレーバー」(粉、10種類)など付属品の活用度を高めようと考えた。

 リーフレット(A3判)では、スタッフの試飲に基づくフレーバーの人気ランキングを掲載。栄養剤と一緒に水や湯に溶かしたり、冷やしてゼリーにしたりする飲み方を写真入りで説明。フレーバーを使わず清涼飲料水やコーヒーなどを用いる方法も提案している。

 昨秋完成し、患者や家族への説明に活用しており、今後希望者には提供する。他の病院からも「参考にしたい」との声が寄せられているという。消化器内科の原田亮医師は「患者のほぼ3分の2が栄養剤を飲み続けるようになり、抗がん剤治療の継続につながっている」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年06月26日 更新)

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