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県内のリンゴ病患者が最多ペース 妊婦感染は流産や死産の恐れ

 頬や体が発疹で赤くなり、風邪のような症状が出ることもある伝染性紅斑(リンゴ病)の岡山県内の患者が今年、過去10年で最も多いペースで推移している。症状は軽微な例が多いが、妊婦が感染すると流産や死産の恐れがあり、県が注意を呼び掛けている。

 リンゴ病は「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスがせきやくしゃみを介して感染し、頬や腕、足が赤くなるほか、頭痛や関節痛が生じることもある。2011年の国の調査では、胎児に感染した妊婦69人のうち約7割の49人が流産、死産していた。

 県健康推進課によると、定点調査している54医療機関(小児科)で確認される患者は昨年12月から増え始め、今年1月から6月19日までの累計で497人、1医療機関当たり9・2人。過去10年で最多だった08年の同時期(485人、8・98人)を上回っている。週単位でみた最新患者数(13~19日)は1医療機関当たり0・44人で、保健所別では真庭2人、倉敷市1人が多くなっている。

 リンゴ病は感染力が弱く、大抵は自然に回復する。ただ、発疹が出るより前の微熱やせきなど風邪のような症状の時に最もウイルスが排出されるため、気づくのが遅れたり、頬の発疹が少ない成人では感染自体を自覚しなかったりするケースがあるという。

 県健康推進課は「妊婦は風邪の症状がある人になるべく近づかず、家族が感染した場合は必ず産婦人科に相談してほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年06月28日 更新)

タグ: 感染症

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