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市民公開講座「切らずに治す がん陽子線治療」 最新のがん治療 -陽子線治療-

小積君生氏

たかはら・ようこ 1992年、岡山大医療技術短期大学部看護学科卒。2003年から岡山大学病院入院棟副看護師長。

体験発表 私のがん治療選択―陽子線治療を体験して―
小積君生氏 

痛みなく日常生活を維持


 がんが見つかったのは5年前。地元の病院でたまたま血液検査を受けたところ、腫瘍マーカーのPSA(前立腺特異抗原)値が高かったので、専門の病院で精密検査をした結果、がんと分かった。

 分かった時は驚いたが、思ったほどショックは受けなかった。なぜかというと私は民間保険会社のがん保険に入っており、先進医療特約を付けていたからだ。万一がんになったときは、粒子線治療で治そうと以前から思っていた。

 4年ほど経過観察したのち、昨年1月29日に兵庫県立粒子線医療センターで陽子線治療を受けた。治療で痛いと感じたことはない。治療が進むにつれ、陽子線を当てた皮膚が赤くなったが、治療終了から1年が経過した今ではほとんど跡が残っていない。治療のない日には自宅に帰ることもでき、2カ月の入院生活で苦しいことはなかった。

 退院後は3カ月に一度PSAと検尿の結果を同センターに報告。これまでのところ再発の兆候はなく、毎日忙しく働いている。がん患者にとって陽子線治療は希望の光だと思う。もっと広く関心を持ってもらい、多くの人が救われることを願っている。

講演 看護について
岡山大学病院 高原陽子副看護師長

チーム医療をサポート


 放射線治療には多くのスタッフが関わっている。照射線治療専門医をはじめ、各診療科の主治医、診療放射線技師、看護師、薬剤師、管理栄養士などがチームで治療に取り組む。

 がん治療のチームにおける看護師の役割は、計画された治療の完遂を支えることや、「元気になりたい」「病気を克服したい」などの患者さんの思いを支えることだ。また治療の環境を整えることも役割の一つ。陽子線治療は小児にも適用されるので、子どもや女性も安心して治療を受けられるように看護師は支援していかなければならない。

 日常的なセルフケアや症状マネジメントが行えるよう、患者さんに治療のための正しい知識も提供する。同時に患者さんやその家族と治療という目的を共有し、日常生活の中で自発的に喫煙や睡眠不足など治療の妨げになる生活習慣を取り除くようお願いしていくことも必要だろう。

 医療従事者だけでなく、患者さんやその家族まで含めた「がんと闘うチーム」を支援し、万全の状態で治療が進められるよう尽力している。

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年07月03日 更新)

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