文字 
  • ホーム
  • 岡山のニュース
  • 米国白内障学会フェスでグランプリ 福山の眼科医・三好さん 最新手術機器動き撮影 有効性を解析

米国白内障学会フェスでグランプリ 福山の眼科医・三好さん 最新手術機器動き撮影 有効性を解析

学会での発表を振り返る三好さん

 福山市大黒町、眼科医・三好輝行さん(53)が、四月に開かれた米国白内障屈折矯正手術学会の「フィルムフェスティバル」でグランプリに輝いた。超高速で振動する白内障手術の最新機器の動きを高感度カメラで撮影し、治療の仕組みと有効性を初めて解析。同学会史上初となる二度目の最優秀となった。

 白内障は眼球内の水晶体が濁る病気。治療には、手術で濁った水晶体を吸引して取り除くことが必要となる。現在行われている手術の多くは、直径一ミリほどのチタン製のチップを毎秒四万回のスピードで縦振動させる機械を使うのに対し、米国のメーカーが開発した最新機器はチップを毎秒三万二千回横振動させる。

 三好さんは一秒間に一万こま撮影できるカメラで、模型を使ったこの手術の撮影に成功。横振動は縦振動に比べ、安全により細かく濁りを砕いて吸引できることを示し、コンピューターグラフィックス(CG)も取り入れた八分間の映像作品にまとめ発表した。こうした現象は開発メーカーでさえ実証できていなかっただけに、高く評価されたという。今回の同フェスには百七十人が参加した。

 三好さんは一九八八年、同市大黒町に「三好眼科」を開業。診療にあたる一方、論文執筆や大学で講座を開いたり、講演も実施。白内障に関して世界的な権威があるとされる同学会への参加は十六年連続で、二〇〇五年にも同フェスでグランプリを受賞した。三好さんは「大変な名誉で素直にうれしい。医学の進歩に貢献できれば」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年05月12日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ