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ピエロが入院中の子ども癒やす 川崎医大付属病院 定期的取り組み

入院中の子どもに風船を手渡すクラウン=18日、川崎医科大付属病院小児科病棟

 入院中の子どもたちに笑いと癒やしを―と川崎医科大付属病院(倉敷市松島)は、クラウン(道化師)を定期的に招く取り組みを始めた。欧米では「ホスピタル・クラウン」などと呼ばれており、“心のケアの専門家”としての活躍が期待される。

 「わあ、すごい」。定期訪問初日の18日、赤鼻のクラウンが2人一組で小児科病棟に登場し、次々とパフォーマンスを繰り出した。風船を曲げて帽子を作ったり、リングがロープをすり抜ける手品を披露したり…。時折、失敗を演じてみせると子どもたちは大笑い。倉敷市の小学4年の女子(10)は「入院は退屈だったから、ピエロが来てくれて楽しかった」と笑顔を見せた。

 NPO法人「日本ホスピタル・クラウン協会」(東京、名古屋市)から認定されたクラウンが原則2人一組で、2カ月に1回訪れる。衛生面に配慮し院内ではマスクを着用し、手の消毒も徹底。子どもたちのストレスとならないよう、大きな声や音も出さないようにしている。

 同協会は認定クラウン85人を全国72病院に定期派遣しており、中国地方では初。こうした取り組みは欧米で始まり、自ら実践した米国人医師パッチ・アダムス氏の半生は映画にもなった。国内ではNPO法人「日本クリニクラウン協会」(大阪市)なども同様の活動を展開している。

 川崎医科大の寺田喜平・小児科学教授は「長期間入院している子どもたちのQOL(生活の質)の向上につながる。笑顔になることで、治療意欲も高まるだろう」と効果に期待を寄せる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年08月25日 更新)

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