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在宅医療・介護推進へ専門職連携 岡山県地域包括ケアシステム学会発足

初の学術大会に向けて打ち合わせをする学会事務局のメンバーら。中央は学会理事長の椿原川崎医療福祉大学長=川崎医科大

 超高齢社会に対応した在宅医療・介護の推進に向け、岡山県内の専門職らが円滑に連携するための「県地域包括ケアシステム学会」が発足した。国は介護が必要となった高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らせる「地域包括ケアシステム」の構築を目指しており、現場で携わる関係者の理解や情報共有を進める。9月11日、初の学術大会が倉敷市内で開かれる。

 学会は、在宅患者を支援する「地域リハビリテーション」の普及に長年尽力してきた川崎医療福祉大(倉敷市松島)の椿原彰夫学長の呼び掛けで4月に設立。県医師会や県看護協会、県介護支援専門員協会など25団体が、役員に名を連ねるなど運営に協力し、現在、医師や看護師、薬剤師、介護職員ら約400人が会員に登録している。

 主な活動は、専門職らが実際に経験した在宅ケアや多職種連携などの成功体験、問題事例の情報交換を行う年1回の学術大会の開催。将来は各専門職向けの研修会なども検討していく。

 学会理事長に就任した椿原学長は「行政主導のケアシステム推進事業は多くが各事業所の代表を対象としたトップダウン型。現場の専門職一人一人が、従事する分野や団体の枠を超えて顔が見える関係を築くボトムアップ型の組織にしたい」と意欲を見せる。

 初の学術大会は、川崎学園川崎祐宣記念講堂(倉敷市松島)で午前9時から開催。日本で最初に「地域包括ケアシステム」の概念を提唱、実践した広島県地域包括ケア推進センターの山口昇センター長が基調講演するほか、県内の専門職から一般公募した78演題の講演、ポスター発表などもある。

 学術大会への参加希望者は31日までに同学会ホームページ(http://www.kawasaki-m.ac.jp/rehamed/occs)から申し込む。参加費500円(当日申し込みは千円)。問い合わせは川崎医科大リハビリテーション医学教室(086―462―1111)。

 地域包括ケアシステム 団塊世代が全て75歳以上の後期高齢者となる2025年を見据え、国が12年の改正介護保険法に盛り込んだ在宅医療・介護の支援体制。市町村が主体となって「医療、介護、介護予防、生活支援、住まい」の五つのサービスを一体的に受けられる地域づくりを進めることが求められている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年08月26日 更新)

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