文字 

炎症性腸疾患センター開設 岡山大病院、専門的治療に対応

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は1日、患者が増加傾向にある難病の潰瘍性大腸炎、クローン病の治療を専門的に行う「炎症性腸疾患(IBD)センター」を県内で初めて開設する。診療科や職種の枠を超えて院内でのサポート体制を整えるとともに、地域の医療機関との連携をより一層強化する。

 IBDは原因不明の炎症により、下痢や腹痛、血便などの症状が出る病気。潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に、クローン病は口から肛門までの消化管全体に炎症が起きる。発症のピークはともに10~30代で、適切な投薬など長期にわたる専門的治療が必要になる。厚労省のまとめでは、患者は年々増加し、2014年度の総患者数は合計約21万人。

 IBDセンターは消化器内科の平岡佐規子助教、消化管外科(低侵襲治療センター)の近藤喜太助教らが中心となり、小児外科、小児科などと構成。病気を抱えながら進学や就職、妊娠・出産を希望する患者も多いため、産科医やソーシャルワーカーらもメンバーに加わる。

 センター長となる岡山大病院消化器内科長の岡田裕之教授は「センターを立ち上げることで、患者や地域の医療機関にも認知されやすくなる。岡山大病院は他の医療機関で対応できなかった患者を診療する『最後の砦(とりで)』を掲げており、その役割を果たしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年08月31日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ