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内視鏡動画をコンパクトに保存 小沢医科器械が圧縮システム開発

小沢医科器械が開発した検査動画の保存システム。診察時などにパソコン画面で再生できる

 医療機器製造・販売の小沢医科器械(倉敷市中島)は、内視鏡などの検査動画をコンパクトに保存するシステムを開発した。医療機関では静止画像として一部分のみを保存するのが一般的だが、データを約40分の1に圧縮することで、動画のまま小容量サーバーでの保管を可能にした。データ管理費を抑えつつ、綿密な診断ができるとして医療機関に売り込んでいる。

 小沢医科器械によると、内視鏡や手術用顕微鏡、血管造影装置といった検査動画はデータ量が大きく、従来システムでは15分の動画の保存には27ギガバイトほどの容量が必要だった。新システムは画像の劣化を抑えつつ1ギガバイト以下に圧縮する。医療業界では、腫瘍の見落としや診断ミスを防ぐため動画の保存ニーズが高まっており、商品化した。

 新システムは医療用動画像の保存・通信方式を定める国際規格「DICOM(ダイコム)」に対応。電子カルテと連動させることで、医師は過去の検査動画をパソコン画面上に呼び出して診察できる。また、他の医師に意見を求める場合、検査動画を送ることでより的確な指示が得やすくなるという。

 小沢医科器械が関連技術やソフトを独自に組み合わせて開発した。生産は医療系システム製造のデジタル・コア(東京)に委託している。4月から販売しており、既に広島大病院(広島市南区)など岡山県内外の7医療機関に導入されている。2019年には年商3億円を目指す。

 小澤直人社長は「サーバーの設置コストを抑えられる上、検査や手術の過程が鮮明な映像として残り、より正確できめ細かな診断につながる」と話している。

 小沢医科器械は1951年創業、65年設立、資本金1千万円。超音波診断装置やコンピューター断層撮影装置(CT)の卸販売、筋肉の微弱な電気信号を計測する筋電計の製造などを手掛け、売上高約7億円(15年9月期)。従業員8人。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年09月07日 更新)

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