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「地域包括ケア」の在り方探る 倉敷で学会第1回学術大会

医療や介護、行政関係者らが「地域包括ケア」の在り方を探った学術大会

 今春に設立された岡山県地域包括ケアシステム学会(理事長・椿原彰夫川崎医療福祉大学長)の第1回学術大会が11日、倉敷市内で開かれた。講演や実践発表などを通じ、高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らすための「地域包括ケア」の在り方を参加者が探った。

 県内外の医療、介護、行政関係者ら約500人が参加。公立みつぎ総合病院(尾道市)を舞台に、地域包括ケアの概念を日本で初めて提唱、実践した名誉院長の山口昇氏が基調講演した。

 山口氏は、看護師らを患者宅に派遣し床擦れなどをケアする「寝たきりゼロ作戦」を1974年から独自に始めたことが、地域包括ケアの原型となったと紹介。「当初は『病院がそこまでする必要があるのか』といった反対もあったが、結果として地域の寝たきりの高齢者は激減し、医療費の削減にもつながった」と振り返った。

 国が同ケアの普及に現在力を入れる中、「必ずしも『みつぎのやり方』が正解とは限らない。都市部や中山間地域といったそれぞれの地域特性に応じた手法を模索することが大事だ」と呼び掛けた。

 同ケアを進める上で欠かせない医療・介護の多職種連携をテーマにした看護師や歯科医師らの実践発表、三浦公嗣元厚生労働省老健局長による特別講演もあった。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年09月12日 更新)

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