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診療報酬 7.8億円返還請求 00~04年度岡山医療機関 指定取り消し6件

 岡山県内の保険医療機関・保険薬局が請求ミスなどにより診療報酬の返還を求められた金額が二〇〇〇~〇四年度の五年間で計七億八千万円余に上ることが、二十二日までに分かった。明らかな不正があったとして保険医療機関の指定を取り消された医療機関は、同じ期間中に六機関あった。

 山陽新聞社が岡山社会保険事務局に対して行った公文書の開示請求で判明。国民医療費が三十兆円を超え医療費の抑制が課題となる中、診療をめぐる不透明さの一端を示す結果となった。

 同事務局は、新規開業や、患者らから不明朗な診療に関する情報が寄せられた医科・歯科・薬局を対象に指導と呼ばれる審査を実施。カルテとレセプト(診療報酬明細書)を比較し、診療報酬請求に関する算定ミスや、無駄な治療・投薬などがないかをチェックする。

 その結果、五年間で延べ三百三の医科、百三十五の歯科、百四の薬局で実際に行った治療や投薬より多額の診療報酬が支払われ、これらに対する診療報酬返還額は計約三億四千六百八十六万円。

 内訳は、医科三億八百六十六万円、歯科二千三百九十二万円、薬局千四百二十七万円。年度別では〇一年度が一億三千二百八十八万円で最多。

 このほか、指導の結果、不正請求の疑いがあるとして立ち入り調査による監査を行ったのが十一件(医科七、歯科三、薬局一)あり、監査による診療報酬の返還額は計約四億三千五百九十三万円。返還総額は七億八千二百七十九万円に達した。

 同事務局は施設名や不正内容などは公表していないが、監査による返還額のうち四億三千万円は、厚生労働省の承認内容と異なる仕様の機器を購入した病院が未承認と知らずに診療に用い、医療行為は適正だが返還を求められたとみられる。

 監査の結果、同事務局が保険医登録を取り消した医療機関は、医科、歯科各三機関あった。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年06月23日 更新)

タグ: 医療・話題

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