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臓器移植への理解深める 普及推進月間、岡山で講演会

臓器移植について話す浄心寺住職の佐藤さん

 臓器移植普及推進月間(10月)に合わせた「いのちのリレーを考える講演会」(岡山県臓器バンク、県主催)が16日、岡山市内であり、市民約50人が移植の意義などについて理解を深めた。

 同バンクの臓器移植コーディネーター安田和広さん(48)が、移植医療の仕組みや近年の移植実施数などを解説した後、大正大非常勤講師で浄心寺(東京)住職の佐藤雅彦さん(58)が「臓器移植と仏の教え」と題して話した。

 幼いころの病気の体験から、僧職の傍ら米国で生命倫理などを学んだ佐藤さんは、針供養などを例に「万物に命が宿るという日本人独特の感性に仏教は大きく関わってきた」と説明。「大切なものを差し出して相手に喜んでもらう『布施』の考え方と臓器提供には通ずるものがある」と述べた。

 意思表示せずに脳死になった子どもの臓器を提供すべきか悩む親の姿を描くドラマのDVDも上映。「提供する、しない、どちらの考えも否定せず、それぞれの意思を尊重すべきだ」と指摘した。

 JR岡山駅では同バンク職員らが駅利用者にちらしなどを配り、臓器提供の意思表示を呼び掛けた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年10月16日 更新)

タグ: 医療・話題

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