文字 
  • ホーム
  • 岡山のニュース
  • アタマジラミ発生相次ぐ 岡山、倉敷の幼、小 過去5年で最多ペース 早期発見、駆除を

アタマジラミ発生相次ぐ 岡山、倉敷の幼、小 過去5年で最多ペース 早期発見、駆除を

岡山、倉敷市の幼稚園、小学校のアタマジラミ発生状況(グラフ)

 人の頭に寄生し、かゆみを生じさせるアタマジラミが岡山、倉敷市で子どもたちに相次ぎ発生している。両市とも本年度の発生件数(6月末現在)は過去5年で最多だった2006年度を上回るペース。水浴び時のタオルの共用など感染の機会の増える夏本番を迎え、両市教委などが注意を呼び掛けている。

 アタマジラミは体長二―四ミリで灰白色。頭皮から血を吸い、激しいかゆみを生じさせる。寿命は約一カ月だが、この間に百―二百個の卵を産み、頭髪に固着させ、約一週間でふ化するとされる。

 岡山、倉敷市の各幼稚園、小学校の報告によると、四―六月の三カ月間に岡山で百九十二人(前年同期五十一人)、倉敷で百五十五人(同百二十七人)の感染を確認。それぞれ年間二百六十五人、五百五十四人に達し、〇一年度以降最も多かった〇六年度を超える勢いだ。アタマジラミ自体は、学校保健法などに基づく届け出義務がないため、「実数はさらに膨らむ可能性が高い」(岡山市教委)という。

 専門家によると、成虫は頭皮から頭皮へ移ることで知られ、主な感染経路は頭同士の接触、枕や布団の共用など。特に水泳が盛んとなる夏季はタオルの共用、衣服の着脱に伴う成虫の落下などが考えられ、感染の懸念が強まる。

 相次ぐアタマジラミの発生について、国立感染症研究所(東京)は「親が子どもと一緒に入浴して髪をよく洗ってやるというような場面が減り、発見の遅れが感染拡大を招いているのではないか」との見方を示す。

 川崎医科大の沖野哲也講師(寄生虫学)は「アタマジラミは頭皮が清潔か、不潔かに関係なく寄生する。感染拡大を防ぐには早期発見が一番。市販薬による駆除や医療機関の受診で早めに対処してほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年07月26日 更新)

タグ: 健康子供皮膚感染症

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ